写真・図版
中央大付属中高の石田雄一校長=2024年10月8日、東京都小金井市、塩入彩撮影

【校長から受験生へ】

主に首都圏の中学・高校の校長から受験生へのメッセージを随時配信します。

中央大付属中高(小金井市) 石田雄一校長

 校則のない学校として知られています。高校には制服もなく、生徒たちは思い思いの格好をしています。ただ、「真の自由は、自己を律することによって得られる」との一文から始まる「126文字の基本ルール」があります。

 初めてこれを見た時、「憲法12条だ」と思いました。各自が自らを律し、他者の自由や権利を尊重し、集団生活のなかで自由の意味を絶えず問い直していくこと。いわゆる「公共の福祉」を、学校生活のなかで学びます。

 制服がなく、服装に制約がないとしても、TPO(時、場所、場面)を考えることは必要ですよね。交際相手の両親に会うとき、奇抜な格好で行ったらどうなるか。相手が厳格な親なら、つきあいをやめるよう言われるかもしれません。それでも、自分のスタイルを貫くのか。アルバイトの面接では、どのような服装をすべきなのか。

 そういう折り合いの付け方は、自分で考えて、経験し、初めてわかるもの。大人が「こうしなさい」と決めるのは、子どもたちから考える機会を奪うことになりかねません。

中学生は「自主・自治・自律」の土台づくり

 中学生は、まだ大人が見守る…

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